某ブログで本名縛りがはじまっている。
若者たちの本名ブログを読むのは面白いけど、
調子に乗って自分もそこに書き込むほど若くはないので、
ふむふむと柱の後ろから眺めていたりする。
じつは本名の話では、私もずっといいたいことがあるのだ。
私の名前は、山好きな父親が、
穂高のすそに広がる「安曇野」からとって付けてくれた。
山好きな人に名刺を渡すたび、
「安曇野の『あづみ』です」
と、バーのママさんみたいににっこり笑って説明する。
「平仮名にして、『ず』じゃなく『づ』にしたとこが
まぁ、お父さんのセンスだな」
子供のころ、父がそう話していたことを覚えている。
父が私に最初にしてくれたことで、
今でも感謝していることが、この名前を付けてくれたこと。
それぐらい、私は自分の名前が気にいっている。
なかなか、この名前のとおりに書いてくれる人が少ない。
他人にとっては、人の名前なんて記号でしかなく、
「ず」でも「づ」でも、どっちでもあんまり興味がないだろうからね。
だから、一度や二度間違えられても、
あんまり気にしない。もうなれっこ。
親戚のおばさんのひとりも、お年玉袋の宛名はいつも「ず」だったし、
以前、編集者が書く雑誌のクレジットでも
「ず」になっていたことがあるぐらいだから。
ただ、不思議だな~と思うのは、
名刺交換した直後や、
名前入りの企画書を送ったときに、誰かがメールくれるじゃないですか。
明らかにその人たちは名刺や企画書を見ながら私の名前を書くはずなのに、
それでも、「ず」になっていること。
以前、鳥田さんを島田さんだと思い込んで雑誌に載せちゃったこともある。
仲良しの編集者さんの名前の一部の「紀」を「希」とうっかりアドレス登録して、
「あづみさんはジブンの名前を間違えられるとうるさいくせに、
私の名前は間違えるなんてヒドイッ!」とひどく怒鳴られたこともある。
そんな私がいう資格はないんだけど、ブログだからこっそりいう。
みんな、注意力散漫つーか、適当だよねぇ・・・・・。
ここんとこ、日本各地に企画書なんかを送る機会が多かった。
その返信で何度も何度も「あずみ様」とメールが届くことが続くと、
さすがに空しい気分になる。
なんか、そういう遠い距離の人としか接していない状況が寂しくなる。
この間なんて、「いずみ様」とメールが来た。
おいおい、「み」しか合ってないじゃーん!
ジブンに甘く、他人に厳しい私は(やなヤツ・・・)、
「ず」と書く人か、ちゃんと「づ」と書いてくれる人かで、
けっこう人を判断している。
仕事でもプライベートでも、
長くいい感じでつきあっている人はみんな、
いつでも正しく、「づ」で書いてくれる人だ・・・と最近気付いたのだ。
他人にとってはどうでもいいこと。
でも、その人本人には大切なことってある。
そういう「小さいけど、大切なこと」を
大事にしてくれるヒトと、これからもつきあっていきたいなぁと思う。
これは自戒の意味もある。
どんなに忙しいときでも、
そういう小さなことに気を配れるニンゲンに、私はなりたい。