自転車で日本一周中の竹内くんが
おととい浅草にやって来て、
バイト先に食べに来てくれた。
この日は千葉から100キロ走ってきたという。
懐かしいな~。私もついこの間まで
毎日ただひたすらに走っていた。
鹿児島から1か月で走り続け、
本州最北端の大間に着いたのは、日が暮れる直前の
小雨も降りだした夕暮れだった。
「今日はもう宿に泊まろうかな・・・」と思ったけど、
その前日、降り続いた雨の中の野宿にぶち切れて
1泊1万円もする豪華温泉宿で贅沢した後だったから
泊まるとしても1泊3000円の素泊まり宿を探そうと思っていた。
そんなとき、最北端の碑のすぐ近くに
明かりのついたきれいな小屋を発見。
ガラガラっと扉をあけて入っていったら、
その中でパソコンを打っている旅人が竹内くんだった。
その小屋はキャンプ場の炊事棟だったのだけど、
北国らしく壁も屋根も扉もあって
雨の日でも快適に眠れそう。
竹内くんもいたので安心してそこに泊まることにしたら、
あとからさらにもうひとり自転車で旅をしてるおっちゃんも到着。
3人でコーヒー飲みながら、
それぞれの旅の話をして夜を過ごした。
なんと竹内くんは、私がちょっこっと沖縄旅の話を書いた雑誌を
持っていて、
発行されたばかりのその雑誌を手にしてほんとうに感動した。
鹿児島のインターネットカフェに5泊もして書いた原稿、
それが載った雑誌を、
本州最北端の大間で出会った若いチャリダーくんが
とても大切な宝物のように持っていてくれる。その偶然。
「旅人はゆるやかにつながっている」
陳腐な感想だけど、心からそう思った。
その竹内くんとは
大間からフェリーで渡った函館の朝市で
うに・いくら・ほたてが載った「三色丼」を一緒に食べて別れたあと、
稚内で再会。
NZと日本を自転車で旅しているスイス人のステファンとジェシカ、
竹内くんの親友でやっぱり自転車好きのシゲキくんと一緒に
稚内の森林公園でジンギスカンキャンプをした。
あの夜もすっごく楽しかったっけね。
その後、私は礼文島、竹内くんは利尻島でバイトをし、
それぞれの旅の生活になって、お互い連絡もとってなかった。
今回、浅草で会ったのは4か月ぶりということになる。
これから沖縄へ南下していく竹内くんを見送りながら、
またいつか、ついこの間会った友達のように
どこかで再会するんだろうな~と思った。
会って別れてまた会って。
約束とかお礼の手紙とかなんにも必要がない、
でも忙しい毎日のふとした瞬間に
「いまごろどのへんを旅しているのかな・・・」とちょっとだけ思い出す。
そういう旅人同士のゆるやかな関係っていいなぁと。
旅から帰った私は
あっという間に東京の慌しい日々に舞い戻ってしまったけど、
自転車でひたすら走り続けた旅のことを思い出しながら、
今日は浅草~神保町~赤坂~浅草を自転車で移動。
街角に立っていたオマワリさんや、
信号待ちのメッセンジャーに