「陳腐さん、アルバイトしない?」
過疎の島は猫の手……ならぬ陳腐の手も借りたい万年人手不足。
3月最後の土曜日は、
岐阜のスポーツジムが企画したトカラツアー御一行様がご来島。
平均年齢65歳の11名。
中之島は1泊して、トカラ富士「御岳」に登るのがメイン、
今回のアルバイトは、わが軽ワゴン車での送迎が主な任務らしい。
こんなワタシでよかったら~~~♪ と、
「なんちゃってトカラ観光大使」の次は、
「なんちゃってネイチャーガイド」デビューであります。
「そういえば、
うちの両親のトモダチも今週末、トカラに来るらしくって……」
事前に世間話のつもりで話していたら、
なんと!
わがチチとハハが若いころからの山仲間も
そのトカラツアー御一行様のメンバーでした。
わが故郷・名古屋からはるばるトカラへ来てくれたIさんご夫妻、
これは、陳腐もおもてなしせねば~~~、と、
珍しく早起きして「はちみつ玄米クッキー」なんぞ焼きまして、
久しぶりに晴れた空の下、いざ御岳へ。
なんちゃってガイドですんで、御岳登山は今回でまだ4回目です(笑)。
「この花は○○かしら~?」
「このコケは▽▽よね~?」
「あっちに見えるのは何島ですか~?」
平均年齢65歳とはいえ、
最新のウェアと装備で、ばっちり現役山ガールのみなさんは
元気ハツラツ、好奇心もめっちゃ旺盛!
なんちゃってガイドが矢継ぎ早の質問に答えられるわけもなく、
えっとえっと……、
先頭の赤いツナギを着たクニさんに聞いてくださ~い! と、
島暮らしの大先輩にぜんぶ丸投げでした(笑)。
山歩きしながら、Iさんの奥さん、愛称ピン子さんとお喋り。
「あれは30年以上前かしらねぇ。
陳腐さんのお父さんも一緒にスキーに行ったことがあるんですよ。
男性陣が一斉にシャーーーッとかっこよく滑っていくんだけど、
お父さんは滑り降りるといつも、
ポケットからウイスキー出して飲んでたわよ」
ハイ、間違いなく、それはわがチチです(笑)。
私も20歳のとき、チチと高校の同級生まっちとスキーに行ったけど、
「あんずのお父さん、リフトに乗るたびウイスキー飲んでる~!」
と、大笑いされたなぁ……。
御岳の山頂にて、トカラツアー御一行様。
そして、Iさん夫妻となんちゃってガイドの記念写真。
わがチチとハハも「いつかトカラへ行きたい」と話していますが、
ふたりよりも早く、ここにオトモダチが立ちましたよ~!
御岳の河口はこの日もパワー全開!
この間、一緒に登ったアユミちゃんの石も、
ちゃんと残っておりました♪
御岳の登山道は擬木の階段で整備されているんですが、
歩幅が合わない階段って、けっこうシンドイ。
下山は階段じゃない道がいい……という声が上がり、
「階段より近道のルートだと
ジャングルみたいな藪漕ぎになっちゃうけど、だいじょうぶ~?」
案内人クニさんの問いに、藪漕ぎでも近道なら大歓迎の声が上がり。
そして急きょ変更した藪漕ぎの近道ルートが……!
この尾根歩きのあたりはまだ余裕の笑顔だったんですが、、、
いやはや、その先はなかなか大波乱の下山となりまして。。。
最後の数キロは、なんちゃってガイドも、
「みなさ~ん、戦争はもうすぐ終わりですーーー!
ジャングルを無事脱出しましょ~~~!!」と、
陳腐な声援に必死。
お昼すぎに登山口まで戻れたときは、
ほんとうにほっとしました。
みなさん、ホントお疲れ様でした。
午後はの~んびり、がじゅまるの森を歩いたり、
絶景の岬で海を眺めたり、やるせ灯台に立ち寄ったり。
案内人のクニさんがひとりダッシュで採ってきたツタノハ貝が
みなさんの温泉上がりのビールのアテとなりました。
それにしても、今回のトカラツアー御一行様。
世界遺産の屋久島も小笠原諸島も、
礼文島も利尻島も八重山諸島も、
日本有数の島はほぼ制覇している人たちばかり。
どうして今回トカラに……? と尋ねたら、
「あまり観光客がいない、
想像がつかないような日本の秘境に行ってみたかった」って。
週2便しかないフェリーも悪天候ですぐ欠航しちゃうので、
トカラツアーのスケジュールを組むために
ツアーの添乗員さんは相当苦労されたみたいですが、
時間もお金も比較的ゆとりがある世代には、
これからトカラツアー、注目されそうですね。
そんな話をたまたま別件で来島していたわがボスに話したら、
「陳腐さん、すぐトカラガイド協会を作りなさい!」って、
私を採用しただけあって、
わがボス(77歳)も相当、イケイケGO♪GO~の前のめりニンゲン(笑)。
ボスの指令に「そうですね! 今すぐやりますかっ!?」と調子に乗った私に、
「またそうやって、なんでもかんでもやろうとして~!
肝心の農業がなにひとつちゃんとできてないうちから、
あれこれ手を出しちゃダメだよ~」
農業指導員のKさんが焼酎飲みながらやんわりぴしゃり。
うん、ほんと、そのとおりです(汗)。
なんちゃってガイド中にターザンごっこしてる場合じゃなかった。
てなわけで、新学期スタートの本日は、
「燃える女の赤いトラクター~♪」
を・・・運転して新しい生姜畑へ!
ぶるぶるる~、と鼻息荒く出動したとたん、
たまたま通りがかった校長センセイがおっしゃいました。
「陳腐さん、大丈夫~?
そのままどっかの民家に突っ込んだりしないでね~!」
前のめりキャラ、
島でもうすっかりバレてるみたいです(笑)。