7月17日の午後、
チチとハハは我が家から自転車で15分の病院の前に立ち、
ドクターヘリで緊急輸送される娘を待っていたらしい。
とんでもなく親不孝なことをしたと今は猛反省しているけど、
事故直後で頭がイカレてた私は
「お、惜しいっ。なんでドクターヘリの写真を撮っといてくれんかったの〜!」
と脳天気にいい放ち、
「娘が死にかけてるときに写真を撮るバカ親がどこにいるか〜!」
とハハに怒られた。
事故から3日間の記憶は見事にないので、
ドクターヘリに乗ったこともまったく覚えていない。
看護婦さんから
「1ヶ月に一回来るか来ないかというくらい」と聞いていたので、
入院中に着陸風景を見ることはないと思っていた。
そしたらさっき、
昼ご飯を食べ終わった直後にプロペラが回る轟音がした。
お、これはもしかして・・・と立ち上がったら、
今まで会話したことがなかった同じ病室の人が
「ドクターヘリが来たわよ〜!」と教えてくれた。
「向かいの彼女はあれに乗ってきたのよ・・・」とお見舞いの人に話している
(その後は「ドラマの[救命病棟]見てる?」
「江口洋介、大変だったわね〜」という話をしていた) 。
携帯で撮ったけどズームできないので、
患者さんが担架で運ばれたあとも芝生に留まっていた姿をスケッチした.
真っ赤なラインが入った機体に
ドクターヘリと紺色のロゴが描いてあり、
予想以上にかわいい。
外の芝生まで駆けていって、
機長さんたちに助けてもらったお礼をいうことは今できないけれど、
そういうことを忘れないように生きていこうと思う。
友人の差し入れの色鉛筆で着色し終えたころ、
機長さんたちは颯爽と機内に戻って、
やがて空に飛び立った。
今日運ばれた人も
モリモリ食べて元気になあれ。
先生のいうこと聞いて、脱走なんかしないよーに!