参列者に配られたポストカードは、イエイとおなじ清志郎の笑顔。
クリスマスに撮ったという写真、とてもいい写真だね。
いつかピンクの額縁を探して、
イエイとおなじデザインにするよ。
悲しみは引いては寄せる波のようで。
「本日は忌野清志郎、青山ロックンロールショーによーこそ・・・!」
この日のために作られたスタッフTシャツを
「あれ、出口で売ってるかな・・・?」
と、ライブ気分でウキウキしたり。
「かわいい~♪」
と、キヨシロー定番のうさぎのバルーンを撮ったり。
うさぎの足元のこたつの上の
タイマーズ・ヘルメットやキングの王冠、
数々のライブポスターを撮ったり。
会場にいたキヨシロー。
サイコーのJUMP。かなわないや、やっぱり。
会場に流れる歌を聴いていたら、
後ろの席の人たちが、男も女も目が真っ赤で、
それを見たらもうたまらなくなって。
震えていたら、
名古屋からはるばる駆け付けたあっちゃんが
ずっと足をトントン叩いてくれた。
子守唄で赤ん坊をあやすハハのように。
竹中直人、
大竹しのぶ、
甲本ヒロト。
三者三様の弔辞がすばらしかった。
ヒロトがあんなに素で喋ったのをはじめて聴いた。
チャボの姿を見たら、声を聴いたら
もうダメだ・・・と思ったけど、
チャボはどこにいたんだろう。
派手な場が苦手だから、
きっとどこかで静かに見守っていたんだろうね。
キヨシローの魂も、
きっとこのへんにいて、
「ん~、今日はこんなにたくさんの人に集まってくれてどうもありがとう!
感謝します~!」
なんてライブのMCのように歌いながら、ふわふわみんなを見てるかな・・・。
そう思って、何度も宙を見上げてしまった。
3日間振り続けた雨が上がった青山には
とても気持ちいい風が吹いてきて。
この風にも、何かメッセージが込められてるような気がした。
ものすごくたくさんの人に愛された人。
たぶん、この列は夜まで続くだろう。
それぞれの胸に
それぞれのキヨシローとの思い出があって。
誰の思いが深いかとか浅いかとか、
そんなのぜんぜん関係なくて
みんなが、
今日の最高のロックンロールショーを
冗談みたいに笑ったり、はしゃいだりしながら、
何度も何度も、打ち寄せる波のなかにいた。
イエイの前では、
ただ、「ありがとう。安らかに」って、
感謝と祈りしかなかった。
キヨシローの歌に、どれだけ勇気をもらったかわからない。
あなたがいなかったら、
たぶん、今とはぜんぜん違う道を歩いていた。
今までいっぱいパワーをもらったから、
そのチカラをもっとたくさんの人に届けなきゃ・・・。
シメっぽいの、いちばん苦手だと思うから。
青山を出たあとは、
いったん家に帰って、
キヨシローのために買った黒いワンピースと黒い帽子を
葬儀バージョンからアレンジして
新宿西口の思い出横丁で昼間からあっちゃんと飲んだよ。
あっちゃんはロンタイムアゴー、
キヨシローのLPを録音したカセットテープを
山のように私にくれたんだ。
葬儀場では、泣きすぎてすっかり化粧がとれてたね。
ほろ酔いのまま、
新宿西口でいきなりスカート2枚も衝動買い。
ライブの後のハイテンションとおなじだぁ。
キヨシローに似合いそうなピンクのスカート。
このスカートを履くたびに
今日のことを思い出すから。
最後のライブ、お疲れ様でした。
空の上ではもう、憧れのオーティスに会えましたか。
ほんとうにたくさんの勇気をありがとう。
寂しくなったら、
何度も、何度でも、あなたの歌を聴くよ。
今までも、これからも、
ずっとあなたのことが大好きです。