えーっと。
木金の1泊2日で、
ここらへんを旅してきました。
この間、取材で使った「青春18きっぷ」の残りは3日ぶん。
4月10日(金曜)に使いきらないとただの紙切れになってしまう。
そんなもったいないこと、貧乏旅人にはできません。
ほんとは水木金の2泊3日で
盛岡あたりまで行きたかったけど、
D誌の校了が水曜日とわかって断念。
で、さんざん迷った挙句、
「いつか日本縦断・太平洋南下編をするとき、
最大の難所となるであろう・・・」リアス式海岸・三陸をめざすことにした。
かつてキヨシローの「奥の細道」ツーリングを
松島で取材して以来の三陸。
自転車で走るのはもちろんはじめてだ。
普通列車を乗り継いで旅するのもはじめてだったけど、
いいもんですね~。
前夜2時間しか寝てなくたって、
どの列車も終点まで行くから、
本を読みながらうつらうつら寝放題。
移動中の列車やバスでもぐーすか寝られるのが、
私の旅人としての最高の長所なんです。
福島から仙台に向かう快速列車は
花見の名所で速度を落としてゆっくり走る。
「車窓の景色をお楽しみください」なんてアナウンスも流れ、
車内じゅうがほっこりお花見モード。
松島あたりも
いい景色でのんびりできたなぁ。
午後3時、女川駅から、
「やっと自転車に戻れた~!」空と走りだしたんだけど、
予約したとき、「その時間から明るいうちに着けますかね~」
と宿のおかみさんに心配された通りの坂続き。
ま、今までけっこう修羅場をくぐってきたから、
なんとなく覚悟はしていたし、
天気が最高によかったので、
きれいな三陸の海を眺めつつ、ゴキゲンで走れました。
寄り道もせずひとりで黙々と走ってるだけだから、
自転車に興味がない人は
「そんな旅のどこがおもしろいの?」と思うんだろうけど、
「そんな旅」が好きだから、いいんです。
とくにこういう曲がり角に私は弱い。
緩やかな下り、曲がり角の先に夕日と海。
泊まった民宿も最高で、
晩ごはん、むっちゃおいしかった~。
これはほんの前菜で、
天ぷら盛り合わせにアイナメの煮付けも出てきたよ。
これで1泊6000円を切るなんて
三陸の民宿、おそるべし!
翌朝は、牡鹿半島の西側を石巻まで走った。
途中、巨大なトンネルが現れたので、
1年前の春旅を思い出して、
怖いなぁ。。。やだなぁトンネル。。。
と逃げ出したくなったんだけど、
このトンネル、素晴らしかった!
歩道が2mぐらい(しかも両車線に)あるんですよ~!
ロードバイクの天敵の空き缶とか釘とかも落ちてなくて
すごく走りやすい。
宮城県、優秀!
今までくぐり抜けてきた全国のトンネルでも
1、2を争う名トンネルでありました。
名前もいいじゃんね。
石巻に意外と早く着いてしまったけど、
峠越えでぐったり疲れていたのと
仙台駅の駅弁食べたさに、
まだ日が明るいうちに空を袋に入れた。
こんなに天気がいいのに、
このまま空を荷物にして、
また何時間も列車に乗るのか・・・・。
なんだかそれは、
大好きな相棒を裏切っている行為に思えたので。
輪行歴5年目にして初体験、
一度ばらした自転車を、
仙台駅で再度組み立てて、
駅弁持って走り出しました。
牡鹿半島の最南端では
まだ3分咲きだった桜が、
仙台駅からちゃりで20分の西町公園では満開だった。
公園は夜の宴会に備えて
ブルーシートの場所取りだらけ。
「お弁当食べる間、座らせてもらっていいですか~~!?」
と、寝転がって週刊文春読んでるおじさんに声かけた。
「いいよ~。どうせ夜まであいてるし」
おじさんは定年間近で、
あと2時間がんばったら、
別の社員の人が、場所取り要員として現れるらしい。
「せっかくこんないい天気だから、
缶ビールでも飲みながら花見してればいいんじゃないですか~」
と言ったら、「まぁ1本ぐらいならいいんだろうけどなぁ」って。
真面目なんだね、おじさん。
「じゃあ、いったん会社に帰ってから
夜はここで大宴会なんですね」とさらに聞いたら、
「いいや。たぶん夜はもう来ないな。
うち遠いから、ここで飲んで帰るの面倒だし」。
ふ~ん、
自分が参加しない花見の場所取りをしてるんだ。
あれこれ話しかける私を寂しがり屋と思ったのか、
「ひとりで旅しててもつまんないだろ~」とおじさんは言う。
「彼氏とか友だちと一緒に旅したら楽しいだろうに」
はい、よく言われます。
地方を旅してると、耳にたこができるくらい言われます。
でも、彼氏いないから仕方ないじゃないですか~(苦笑)。
「おじさんの娘はいくつぐらいですか」
「う~ん、もう嫁に行ってるけど、31かな?
明日、うちに遊びにくるっていってるけど、
オレは野球見たいんだよね」
仙台ってことは・・・・
「楽天だよ! 明日は岩隈と涌井でWBC対決だな」
うんうん、岩隈なら知ってる!
WBC、かっこよかったですよね~。
まー君もがんばったし!
私が知ってる「楽天」知識はそれぐらい。
弁当も食べ終わったので、
ボロが出ないうちに「ありがとうございました~!」と退散した。
もう二度と会うことのないおじさんの横で食べた
仙台の駅弁花見、
なんてことない時間だったけど、
寄り道してよかったなぁと思った。
私はぜんぜん寂しがり屋じゃないけれど、
結局、旅先でほんの束の間すれ違う
ごくごく普通の人が好きなんだ、と今回よくわかりました。
夏の青春18きっぷは、
北海道をのんびり輪行旅しようと思います。